2015年2月13日、駒込駅、某所。
「モリタさん、Crossroadに出てください。」
唐突にそう言って、ディレクターさんはウナギを「美味しい」って食べてた。
全然実感がなかったけれど、一緒にいた六花界の高垣がすっごい喜んでくれてて笑っちゃった。
「こんな嬉しいことないですよ!」って高垣もウナギ食べてた(笑。
フレンチ・イタリアン・中華・和食等は他に素晴らしいシェフがたくさんピックアップされてきましたが、焼肉・肉料理では日本で初めての密着ドキュメンタリー。
「ありがたいな。成長できるなぁ。」
今までたくさんの取材を頂いて、メディアに出させていただいてきましたが、今回初めて違う感覚に気づけました。
そう、今回は「成長できる」って。
「成長させて頂いた」ことは何度も。
でも
「成長できる」と思えたのは、これから「半年の期間」と「自由なゴール」を頂けるということからそう思いました。
自分の力が30しかなくても、メディアと、このディレクターの後押しがあれば、今までの仲間の力を巻き込めて、100にも200にもなる!
出来なくても、「いつかやるためにロジック」を形成するチャンスだ思いました。
よし!
やろう!!
誰も考えてこなかった焼肉の世界を作ろう!!!
胸が高鳴って、ワクワクしてきました。
「どんなことを、何からやろうかなぁ?」
しかし時間が経つにつれ、
決まっていなかったゴールを決めようとすると逆に不安が勝ってきて
「ボクなんかが出ても良いのかな??」
追いかけてもらって、半年、何も出来なかったらどうしよう・・・
中身空っぽだったら、世間様になんてお詫びしよう・・・
ただただ薄っぺらい自分と向き合っているうちに1ヶ月が経ってしまいました。
そして3月。
全てが打ちのめされる日が来ました。
店舗に来られたお客様が、入店20分で嘔吐されました。
突然のことで動転しましたが、手早く処理をし、その場をまとめました。
・・・しかし、その人は「ノロウィルス」の保持者だったのです。
自分の認識の甘さから、全員を退避させず、会を続け、結果的に場にいた他の何名様かにも感染させてしまいました。
理解はして下さいましたが、自己嫌悪で潰れそうな程でした。
もう飲食店を辞めてしまおうとも思いました。
Crossroadなんて、もっての他だ。
最低だ。
しかし、その気持ちを見透かすかの様に、エールを下さった方がいたのです。
「前を見て頑張ってください!
ぜひ、さらなる美味しい世界を広げてください!応援しています」
と。
泣き崩れました。
こんなボクに何が出来るだろう、、、
「、、、糧にして進むしかない。」
逃げは捨てて、前を見るしかない。
「挑戦できる、新しい店舗を作ろう!」
ボクは、その足で特許庁に向かいました。
ボクには隠していた武器があったから。
進むなら、やるべきことは決まっていました。
権利の取得です!